栽培家と醸造家が手塩にかけて育てる、小林ワイン



「最高のブドウを作りたい」

ブドウ栽培家 八重尾 克哉

(小林生駒高原葡萄酒工房 支配人)

「ワインの質はブドウで決まる」といわれるほど、ブドウの品質がワインの出来を左右します。その中でもその年の気象状況によってブドウの生育や成熟、病虫害の出方が変化するため、ブドウ栽培はとても気を使う仕事であり、責任を感じています。

小林生駒高原でのブドウ園を開園するまでは小林市東方で栽培を行っていました。当時は生食用のブドウがほとんどで、その中のピオーネとマスカットベリーAをワイン用として栽培していました。生駒高原でワイン専用品種を栽培するようになってからも苦労は多く、特にワイン用品種と言われる欧州系ブドウに関しては、いくら手をかけても思ったようなものが収穫できない時期が続きました。その後、試行錯誤を繰り返し、ようやく小林市でも良いブドウが採れるようになりました。そして、良いブドウが採れるからこそ、『より質の高いワインが造りたい』との思いが強くなってきました。



基本は「土づくり」

ブドウを栽培するには、多くの手間がかかります。その中でも、ブドウの栄養の基になる「土づくり」を根本的に改善しようと試みました。



「ブドウが持つポテンシャルをすべて引き出すのが醸造家の仕事。」

ワイン醸造家 児玉 真吾

(小林生駒高原葡萄酒工房 

想いを込めて栽培されたブドウには、地域やその年の天候の影響を受け、それぞれの個性や良さがあります。高品質なワインとは、そのブドウの持つ個性や良さを最大限に引き出すワイン。だからこそ、ブドウが持つポテンシャル以下のワインを造ってしまったら、醸造家として失格だと思っています。当ワイナリーでは、すべてのブドウを自社で栽培しています。栽培家と密になり、時には自ら圃場に向かうことで、ブドウのクオリティがピークのタイミングで収穫ができる。醸造家として非常にありがたい環境だと思います。

だからこそ、ブドウに恥じないワインを造るには、確実な醸造技術を持たなければなりません。



使用する酵母、マセレーションの期間や頻度、発酵温度によってもワインの風味や味には大きな変化が生まれます。また発酵の際に獲得する香りについても、発酵期間やその後の処理によっても変わってくるのです。さらに樽を使用する場合には、樽の産地の選定やトーストの度合い、何年物の樽なのかによっても条件が変わります。

そして、香りや味わいの変化の感取、熟成期間の見極め、ブレンドによる最終的な味わいの決定など、醸造家に求められる知識・経験・技術は多岐に渡ります。まだまだ学ぶことの連続ですが、小林のブドウが一番本領を発揮し、輝けるよう日々試行錯誤を繰り返しています



和食に合うワイン

生駒高原で収穫するブドウを仕込む際は、かなりプレッシャーを感じます。ブドウ収穫のタイミングを決定するところから発酵管理、熟成期間と、常に気を張り詰めて作業に取り組んでいます。

それを引き出すのが醸造家である自分の役目であり、今後もより良いワイン造りへの研究を欠かさず行っていきたいと思っています。